LLブック『仕事に行ってきます』シリーズは、いろいろな職業につく主人公のある1日を紹介する本のシリーズです。朝起きるところから1日の流れをおって、具体的に起こることを紹介。どんな仕事をしているのか、どんな生活を送っているのかを読み手が追体験できるように、つくられています。
主人公として登場するのは、知的障害や発達障害のある人たち。悩みながらも、張り合いやたのしみを見つけてはたらく等身大の姿から、障害のあるなしに関わらず、誰もが「はたらく」ことについて、考えることができます。
この本は「LL ブック」という、読みやすく書かれた本です。「LL」は、スウェーデン語の「Lätlät」(英語では easy to read)の略。知的障害などのため、一般的な情報提供では理解が難しい方や、やさしい日本語のほうが理解しやすい方が、1人でも読みやすいようにつくられています。
特別支援学校のキャリア教育では、職業選択だけではなく、その仕事につき力を発揮するために、どのように生活を整えていくかについても学んでいきます。具体的な1日の出来事を紹介しているこのシリーズは、実際の生活の様子を視覚的に知ることができる教材として活用いただいています。
知的障害・発達障害を持つ子どもは社会人になったら、どんな生活を送るのか。将来について不安に思うご家族にとっても、実際の姿を知ることができる本としても読まれています。
監修者:藤井克徳 大垣勲男 原智彦 野口武悟/発行:埼玉福祉会
著:季刊『コトノネ』編集部/定価:各2,200円+税(A5判 56ページ)
「大人になれば働く」、これはごく自然の姿です。たしかにその通りですが、実はそこにはもう少し深い意味が潜んでいるのです。より正確には、「働くことで大人になる」と言うべきかもしれません。このことは、大人になった多くの人が実感しているに違いありません。働くという営みには、大人になるための栄養素がたっぷりと含まれているのです。障害があってもまったく同じです。いや、障害があるからこそ働くことの意味が大きいように思います。
— 『仕事に行ってきます ⑦うどん屋の仕事 静さんの1日』監修者 藤井克徳さんのことばより抜粋
本の中身をちょっとだけ立ち読み!